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日本語ライブラリー 日本漢文を読む [古代編]
内容紹介
日本文化を知る上で重要な日本漢文について各時代の特徴を概観し主要作品を通読。〔内容〕総説/上代(記紀万葉,漢詩文集,史書・法制書)/中古(漢詩文集,説話,軍記,仏教思想,伝記,紀行,公家日記,往来物,史書・法制書,文書)
編集部から
目次
第1部 上代日本漢文篇
第1章 総説 [山本真吾]
古代における日本漢文の諸相/上代の日本漢文/平安時代の日本漢文/古典教育における「日本漢文」の位置/日本漢文の読み方
第2章 記紀万葉 [沖森卓也]
古事記/日本書紀/万葉集
(例文)『古事記』序・一言主神(『古事記』下巻・雄略記)・乙巳の変(『日本書紀』巻二十四)・梅花歌序(『万葉集』巻五)・松浦河に遊ぶ序(『万葉集』巻五)・桜児(『万葉集』巻十六)・福慈岳と筑波岳(『常陸国風土記』筑波郡)
第3章 上代漢詩文集 懐風藻 [池田幸恵]
詩の形式と内容/『懐風藻』の表現/時代区分
(例文)大友皇子・述懐 文武天皇・従駕 応詔 大神高市麻呂・遊吉野 藤原史・七夕 山田三方・於宝宅宴新羅客 長屋王・在常陸贈倭判官留在京 藤原宇合・遊吉野川 藤原万里・釈道慈
第4章 上代史書・法制書 [池田幸恵]
大宝律令/続日本紀/十七条憲法
(例文)学令(『大宝令』)・平城遷都の詔(『続日本紀』巻四)・道首名の卒伝(『続日本紀』巻八)・十七条憲法(『日本書紀』巻二十二)
第2部 中古日本漢文篇
第5章 漢詩文集 [木下綾子]
(例文)入山興 雑言 空海(『遍照発揮性霊集』)・総序 空海(『文鏡秘府論』天巻)・賦雨夜紗灯応製〈幷序于時九月十日〉 菅原道真(『菅原文草』)・夏夜於鴻臚館餞北客 後江相公(『本朝文粋』巻第九)
第6章 説話 [木下綾子]
(例文)窮女王、帰敬吉祥天女像、得現報縁(『日本霊異記』中巻・第十四縁)・行基大徳、携子女人視過去怨、令投淵、示異表縁(『日本霊異記』中巻・第三十縁)・薩鞄王子(前田本『三宝絵』巻上・第十一条)・融大臣霊、抱寛平法皇御腰事(『江談抄』巻第三・三十二)
第7章 軍記 [山本真吾]
軍記とは/軍記の系譜/軍記の文体
(例文)将門の進軍と貞盛の逃亡(『将門記』)・新皇将門の誕生(『将門記』)・舎弟将平らの諫言(『将門記』)・安倍頼良の横行(『陸奥話記)・将軍の家臣らの忠節(『陸奥話記』)
第8章 仏教思想書を読む [宇都宮啓吾]
奈良時代以前/天台宗と真言宗/平安仏教の展開
(例文)法華義疏(巻第一 総序)・偈頌(『顕戒論』巻上「宗意難忍。且説不軽伽陀曰」)・『三教指帰』巻下・『往生要集』巻上
第9章 伝記を読む [宇都宮啓吾]
伝記とは/伝記の歴史/文体的特徴/史料的価値
(例文)浦島子伝(『釈日本紀』所収『丹後国風土記』)・僧平願伝(『拾遺往生伝』巻中)・高階真人良臣(『日本往生極楽記』第三十三)・『玉造小町子壮衰書』
第10章 紀行文を読む [宇都宮啓吾]
紀行文とは/史料的価値・文体的特徴
(例文)「伊吉連博徳書」(『日本書紀』斉明天皇五年七月条)・『続日本紀』巻二十四 天平宝字七年五月六日条・『入唐求法巡礼行記』六月二十四日条・『参天台五台山記』熙寧六年二月一日条
第11章 古記録・公家日記 [原 裕]
「記録」「日記」とは/「具注暦記」と「別記」/「部類記」の作成
(例文)『小右記』長徳三年七月五日・『権記』寛弘八年五月二十七日・『小右記』寛仁二年十月十六日・『玉葉』寿永三年正月二十日
第12章 往来物 [山本真吾]
往来物とは/古代の往来物/往来物の文体
(例文)雉二羽を奉献する状とその返状(『雲州往来』上五・六)・馬の借用依頼をめぐる往復書状(『高山寺本古往来』二十七・二十八・二十九状)・維摩会講師推挙の依頼をめぐる往復書状(『和泉往来』九月状)
第13章 史書・法制書 [原 裕]
平安時代の史書/平安時代の法制書
(例文)『三代実録』序・『三代実録』貞観十一年十月十三日・『弘仁格』序・『類聚三代格』巻十九 太政官符
第14章 文書 [原 裕]
「(古)文書」とは/公式様文書/下文様文書・書札様文書
(例文)僧空海書状(東寺所蔵)・尾張国郡司百姓等解(宝生院文書)・和泉国符案(田中忠三郎所蔵文書)・僧覚賢畠買券(百巻本東大寺文書)
執筆者紹介
沖森卓也* 立教大学名誉教授[第2章]
山本真吾* 東京女子大学現代教養学部[第1・7・12章]
池田幸恵 中央大学文学部[第3・4章]
宇都宮啓吾 大阪大谷大学文学部[第8~10章]
木下綾子 聖学院大学人文学部[第5・6章]
原 裕 [第11・13・14 章]
*は編著者