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情動学シリーズ 2 情動の仕組みとその異常
内容紹介
分子・認知・行動などの基礎,障害である代表的精神疾患の臨床を解説。〔内容〕基礎編(情動学習の分子機構/情動発現と顔・脳発達・報酬行動・社会行動)/臨床編(うつ病/統合失調症/発達障害/摂食障害/強迫性障害/パニック障害)
編集部から
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目次
基礎編
1 情動学習の分子機構(井上蘭・森寿)
1.1 嚙歯類における古典的条件づけを用いた情動学習測定
1.2 音恐怖条件づけに関連する扁桃体の神経回路
1.3 情動記憶の獲得と扁桃体のシナプス可塑性
1.4 恐怖記憶固定化の分子機構
1.5 恐怖記憶の維持にかかわる分子機構
1.6 情動記憶の再固定化および消去にかかわる分子機構
1.7 LA 特異的遺伝子操作マウスの開発
おわりに
2 情動発現と顔(田積徹)
2.1 顔の情報処理に特化した領域
2.2 視線に応答するニューロンが含まれる脳領域
2.3 サル扁桃体ニューロンの視線と頭の方向の情報処理
2.4 扁桃体顔ニューロンの機能
2.5 STS と扁桃体の機能的連携についての仮説
2.6 社会生活における扁桃体の役割
2.7 扁桃体と自閉症
おわりに
3 情動発現と脳発達(堀悦郎・小野武年・西条寿夫)
3.1 社会的刺激認知の発達
3.2 情動発達の基盤となる神経系
おわりに
4 情動発現と報酬行動(松本惇平・小野武年・西条寿夫)
4.1 報酬系
4.2 報酬行動におけるドパミンの役割
4.3 快感の神経基盤
4.4 報酬行動の状況・経験依存性
4.5 性行動におけるオスラット側坐核ニューロンの応答
おわりに
5 情動発現と社会行動(清川泰志)
5.1 動物の嗅覚系
5.2 社会行動を司る匂い
5.3 警報フェロモン
5.4 ストレスの社会的緩衝作用
おわりに
臨床編
6 うつ病(岡田剛・岡本泰昌)
6.1 うつ病の臨床徴候
6.2 うつ病の認知心理学的所見
6.3 うつ病の脳形態画像所見
6.4 うつ病の脳機能画像所見
おわりに
7 統合失調症(福田正人・高橋啓介・武井雄一)
7.1 臨床的に認められる統合失調症の情動症状
7.2 統合失調症の情動症状の心理学的研究
7.3 情動症状の意義とメカニズム
7.4 情動症状と社会
7.5 脳の情報処理と情動
7.6 統合失調症の新時代と情動
8 発達障害(山末英典)
8.1 社会脳仮説
8.2 ヒトの共感能力の脳基盤
8.3 ASD での共感能力の障害の脳基盤
8.4 オキシトシン投与と社会的認知の改善,その脳画像所見
8.5 オキシトシン投与による自閉症への治療可能性
8.6 男女差と社会性
8.7 社会性の男女差と社会脳領域の男女差
8.8 オキシトシン関連分子の遺伝子多型と脳形態
8.9 男女差と自閉症スペクトラム障害
おわりに
9 摂食障害(三宅典恵・山下英尚)
9.1 摂食障害の診断と発症因子
9.2 摂食障害の認知機能
9.3 摂食障害の身体イメージ認知
9.4 摂食障害の治療
おわりに
10 強迫性障害(中尾智博)
10.1 OCD 概念の変遷と情動
10.2 強迫と不安
10.3 強迫と衝動:強迫スペクトラム障害
10.4 強迫と認知
10.5 OCD の亜型と脳
10.6 治療によるOCD 回復の生物学的基盤
10.7 OCD の情動と脳の統合モデル
11パニック障害(熊野宏昭)
11.1 不安障害と情動制御
11.2 パニック障害の神経解剖学モデル
11.3 パニック障害の脳イメージング
11.4 パニック障害の認知機能異常
おわりに
索 引
執筆者紹介
第2巻 編者
山脇成人 広島大学教授
西条寿夫 富山大学教授