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情動学シリーズ 7 情動と食 ―適切な食育のあり方―
内容紹介
食育,だし・うまみ,和食について,第一線で活躍する学校教育者・研究者が平易に解説。〔内容〕日本の小学校における食育の取り組み/食育で伝えていきたい和食の魅力/うま味・だしの研究/発達障害の子供たちを変化させる機能性食品
編集部から
●本書について(本書序文より抜粋)
「情動と食」を取り上げるにあたって,副題を「適切な食育のあり方」としたのは,ヒトの集団生活において食は,生きるために必要な栄養素を摂取するための行動だけではなく,コミュニケーションの場としても重要であり,豊かな情動の形成にも大きくかかわっているからである。
本書では,第I編ではTOSSの先生方による食育の現場の紹介,第II編では「だし・うま味」を中心に構成されている和食について,第III編では「うま味とだし」の仕組みと働きの解明に向けた取組みと研究の現状を紹介した。
ヒトは食物を手に入れるまで何も食べることができなかった狩猟採集の時代から,長い時間とともに,いつでも食物を手に入れ,簡便な調味料を使用したり,調理済みの食品を利用するなどをして,食べるために要する時間を飛躍的に短縮した。このような環境の中で,本書が食のもつ生物学的意味,情動とのかかわりについて,もう一度原点に立ち返って考える契機となれば幸いである.。(二宮くみ子)
目次
I. 日本の小学校における食育の取り組み
1. 教育現場と民間の連携を全国に [並木孝樹]
2. 食育リーダーとしての取り組み [井上和子]
3. いのちをいただく食育 [大國佐智代]
4. うま味の授業に取り組んで [松島博昭]
5. 「日本の優れた発酵食品」の授業 [谷 和樹]
II. 食育で伝えていきたい和食の魅力
6. 家庭における食の変遷 [江原絢子]
7. 和食の特徴 [村田吉弘]
8. 和食における「だし・うま味」
-科学的知見からの考察- [二宮くみ子]
9. 京料理の老舗料理人が小学校で授業をする
“日本料理に学ぶ食育カリキュラム” [的場輝佳]
III. 食と情動に関する研究の現状
10. うま味研究の現状 [近藤高史]
11. だしの健康機能解明に向けて [近藤高史・二宮くみ子]
12. 食と情動に関する最近の研究事例:
発達障害の子どもたちを変化させる機能性食品 [平山 論]
執筆者紹介
●編 者
二宮くみ子 味の素株式会社グローバルコミュニケーション部・理事
近藤高史 玉川大学教職大学院・教授