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医学のための因果推論II ―Rubin因果モデル―
田中 司朗(著)
内容紹介
1巻目の一般化線型モデルに続き,Rubin因果モデルの理論と統計手法を学び,豊富な事例で医学研究への応用までを解説。〔内容〕推定目標/ランダム化/プロペンシティスコア/操作変数法/周辺構造モデルとIPW推定量/媒介分析。
編集部から
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目次
1. 因果推論の事例
1.1 因果の概念分類
1.2 観察研究と実験
1.3 事例1:ECMO臨床試験とアウトカム適応的ランダム化
1.4 事例2:SGLT2阻害薬データベース研究と交絡
1.5 事例3:骨粗鬆症臨床試験と中間事象
2. 一般化線型モデルの復習
2.1 表記法
2.2 条件付け
2.3 代表的な離散分布
2.4 推定量の評価基準
2.5 分布収束と確率収束
2.6 最尤推定量と対数尤度比統計量の漸近分布
2.7 Wald法とデルタ法
2.8 一般化線型モデル
3. 潜在結果変数,割付けメカニズム,統計的推測
3.1 潜在結果変数と因果リスク差
3.2 ランダム化の下での因果リスク差の推定
3.3 一致性,非干渉性,効果の均一性
3.4 条件付因果効果と効果の修飾
3.5 割付けメカニズム
3.6 アウトカム適応的ランダム化
3.7 因果効果の識別に必要な2つの仮定
3.8 統計的推測
4. Fisher帰無仮説とNeyman帰無仮説
4.1 有限集団の推測における2つの帰無仮説
4.2 証明
5. プロペンシティスコア
5.1 プロペンシティスコアの性質
5.2 バランシングウェイト
5.3 事例:ハーバードECMO試験の共変量の偏り
6. 交絡の調整
6.1 交絡
6.2 交絡因子の選択基準
6.3 交絡調整の手法
6.4 事例:薬剤疫学研究におけるプロペンシティスコアの利用
7. M推定
7.1 不偏な推定方程式を用いた推定
7.2 一般化推定方程式
7.3 影響関数との関係
8. IPW推定量と2重頑健推定量
8.1 平均因果効果のIPW推定量
8.2 平均因果効果のセミパラメトリック推定量の分散下限
8.3 平均因果効果の2重頑健推定量
8.4 IPW法による周辺構造モデルの推定
8.5 プロペンシティスコアの推定
8.6 オーバーラップの崩れへの対処
8.7 事例:骨粗鬆症コホート研究におけるマッチングとIPW法の比較
9. 静的レジメの推定
9.1 時間依存性治療効果の下でのRubin因果モデル
9.2 時間依存性治療効果の識別に必要な仮定
9.3 事例:大うつ病2段階ランダム化臨床試験
9.4 事例:骨粗鬆症コホート研究における時間依存性治療効果
9.5 時間依存性治療効果のための周辺構造モデルの拡張
9.6 推定
9.7 事例:骨粗鬆症コホート研究における時間依存性治療効果の推定
10. 媒介
10.1 中間媒介因子と媒介分析
10.2 媒介のためのRubin因果モデルの拡張
10.3 直接効果・間接効果の識別に必要な4つの仮定
10.4 回帰推定量
10.5 複数の中間媒介因子の扱い
10.6 介入を伴う直接効果・間接効果
10.7 事例:骨粗鬆症コホート研究における媒介分析
11. 臨床試験の中間事象
11.1 中間事象
11.2 推定目標
11.3 フローチャート
11.4 治療切り替えや服用不遵守の対処
11.5 死亡による欠測
12. 主要層別
12.1 主要層因果効果
12.2 事例:ホルモン非依存性前立腺癌臨床試験
13. 操作変数法
13.1 操作変数
13.2 操作変数法の原理とWald推定量
13.3 均一性の下での因果効果の推定
13.4 主要層別
13.5 構造平均モデル
13.6 2段階最小2乗法
14. 総括
付録 参考書
付録 演習問題の解
文献
索引