I　序　　　章

1　はじめに
2　天然化学物質の研究―その歩み・今そしてこれから―
　2.1　天然物化学の誕生―ヒトとくすりとの関わりの中で―
　2.2　日本の天然物化学―黎明とその歩み―　
　2.3　天然物化学の進展　

II　天然化学物質の生合成

3　一次代謝と二次代謝　
4　生合成研究の歩み―biogenesisからbiosynthesisへ―　
　4.1　R. Robinsonの仮説（1917）　
　4.2　C. Schopfの生理的条件下の合成（1937）　
　4.3　生物細胞内での有機化学反応　　
　4.4　biosynthesis　
5　二次代謝産物の生合成経路　
　5.1　概　　　観　　
　5.2　酢酸－マロン酸経路　
　5.3　シキミ酸－ケイヒ酸経路　　
　5.4　メバロン酸（MVA）－リン酸メチルエリスリトール（MEP）経路　
　5.5　アミノ酸経路　　
　5.6　配糖体の生合成　
6　生合成研究の進展―組織培養と細胞培養―　　

III　天然化学物質の科学

7　天然化学物質の探索　
　7.1　天然薬物とヒトとのかかわり　　
　7.2　インドネシアの天然薬物調査　　
　7.3　海洋天然物化学の研究　
　7.4　動物起源の毒　
　7.5　微生物起源の天然物質　
　7.6　生体起源の活性天然物質　
8　天然薬物成分の化学―天然薬物の科学的評価―　
　8.1　伝承を解明する　
　8.2　伝承にこだわらない　　
9　天然作用物質　　
　9.1　モルヒネとオピオイド活性　
　9.2　マラリアとの闘い　　
　9.3　微生物代謝産物とその展開　　
　9.4　甘味物質―味覚受容体への作用物質―
10　情報伝達物質　
　10.1　生物体内で働く（内因性）天然物質
　10.2　異なる生物kingdom間の情報伝達物質　
11　海洋天然物質の化学　　
　11.1　海藻の性フェロモンと磯の香り　
　11.2　アレロケミック―アロモンとカイロモン―　　
　11.3　シノモン―共生をとりもつフェロモン―　
　11.4　着生制御行動と変態誘起　
　11.5　海洋から医薬を　
12　発がんと抗腫瘍に関わる天然物質　
　12.1　発がん二段階説　
　12.2　ワラビの発がん物質　
　12.3　がん化学療法剤　
13　自然毒，とりわけ海洋生物の毒　
　13.1　微細生物が産生する海洋生物毒　
　13.2　二枚貝の毒ピンナトキシン類　

IV　天然物質の化学変換

14　アルカロイド研究の過程で　
　14.1　sinomenineとmorphineの関連づけ　
　14.2　cinchonine（キノリン系）とcinchonamine（インドール系）の関連づけ　
　14.3　α-アミノ酸を用いる不斉合成　
15　テルペノイド・ステロイド研究の中から　
　15.1　セスキテルペンeudesmanolideからeremophilanolideへの生合成経路類似型の転位反応　
　15.2　cholesterolからwool fat lanosterol類への誘導　
　15.3　aldosteroneの合成　
16　糖質を素材とする化学変換―配糖体の研究から―　
　16.1　配糖体結合の開裂　　
　16.2　グルクロニド結合の選択的開裂　
　16.3　ウロン酸から擬似糖質への化学変換　

あとがき　
事項索引　
人名索引　


II巻略目次

V　天然物質の全合成
　17　抗腫瘍活性をもつセスキテルペン・バーノレピンの合成
　18　抗腫瘍活性をもつアンサマクロリド・メイタンシンの合成
　19　タンパク質脱リン酸酵素阻害作用をもつオカダ酸の合成
　20　タンパク質脱リン酸酵素阻害剤トートマイシンの全合成
　21　フグ毒テトロドトキシンの合成
VI　生物有機化学
　22　視物質の生物有機化学
　23　生物発光の化学
　24　タンパク質脱リン酸酵素とその阻害剤との分子間相互作用
　25　昆虫休眠の生物有機化学
　26　特別な機能をもつ化合物の生物有機化学