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電気電子工学シリーズ 4 電子物性
都甲 潔(著)
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内容紹介
電子物性の基礎から応用までを具体的に理解できるよう,わかりやすくていねいに解説した。〔内容〕量子力学の完成前夜/量子力学/統計力学/電気抵抗はなぜ生じるのか/金属・半導体・絶縁体/金属の強磁性/誘電体/格子振動/光物性
編集部から
私が九州の担当になったとき,すでに九州中心の教科書として「機械工学基礎シリーズ」と「新建築学シリーズ」の刊行が始まっていた。
また,オーム社は名古屋中心の電気・電子・情報工学のシリーズが刊行終了間近となっており,続いて関西中心で同じようなシリーズの刊行を始めていた。それらから,いずれ九州方面に進出してくるのは予想されることであった。
そこで,私は早々に九州中心の電気・電子系の教科書シリーズを立ち上げるべく九州大学の先生方を当たっていった。しかし,すでにオーム社は電気学会編集のシリーズを新しく立ち上げており,九州大学の先生の中にも執筆を依頼されている先生方もいたりして,考えた以上に難航し,あっという間に1年が過ぎてしまった。
そんな折り,当時少し前に企画を立ち上げていた「感性の科学」の編著者としてお世話になっていた都甲先生にご相談したところ,電気電子システム工学部門,電子デバイス工学部門,知能システム工学部門の各部門長の先生方3名を紹介していただいた。早速,挨拶に行き企画内容を大筋了解していただくことができた。数ヵ月後に都甲先生を中心に編集会議を開き,シリーズの概要,基本的コンセプトとしてやさしく,わかりやすく,最近の学生にも親しみやすい内容とすること,各編集委員の担当の巻を決定した。それ以降は各巻の執筆責任者を担当編集委員が決め内諾を得ていただいた。このような経緯から企画が始まり,この11月から刊行が始まった本シリーズが全国に広がっていくことを願ってやまない。(井上 正)
目次
1. 量子力学の完成前夜
1.1 19世紀から20世紀へ
1.2 奇才プランクの提案
1.3 天才アインシュタインの登場
1.4 原子スペクトル
1.5 電子が波動性をもつ
1.6 不確定性原理
演習問題
2. 量子力学
2.1 シュレディンガー方程式
2.2 金属の中の伝導電子の最も簡単なモデル
2.3 滞在不可能なところへ侵入する電子
演習問題
3. 統計力学
3.1 基本的な統計分布
3.2 フェルミ分布
3.3 ボーズ分布
3.4 熱電子放出
3.5 結晶格子の示す比熱
演習問題
4. 電気抵抗はなぜ生じるのか
4.1 有効質量
4.2 オームの法則
4.3 分布関数が位置に依存する場合
4.4 半導体のキャリアの連続の方程式
演習問題
5. 金属,半導体,絶縁体
5.1 周期的ポテンシャル中での1電子シュレディンガー方程式
5.2 エネルギーのバンド構造
5.3 エネルギーギャップと電子の詰まり方が物性を決める
5.4 半導体の電気伝導
5.5 ホール効果
5.6 磁界や電流がある場合の種々の効果
5.7 結晶の幾何学
演習問題
6. 強磁性体
6.1 磁気モーメントとは
6.2 強磁性と相転移
6.3 キュリー・ワイスの法則
6.4 強磁性の理論モデル
6.5 理論的解明
演習問題
7. 誘電体
7.1 電界E,分極P,電束密度D
7.2 クラウジウス・モソッティの式
7.3 分極の種類
7.4 圧電効果
演習問題
8. 格子振動
8.1 縦波と横波
8.2 単原子1次元格子振動
8.3 2種類の原子の1次元格子振動
8.4 格子振動の量子化
演習問題
9. 光物性
9.1 光電効果
9.2 光の吸収と反射
9.3 半導体における光吸収
演習問題
参考図書
演習問題解答
索引