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からだのしくみ ―ナースの視点―
定価 2,420 円(本体 2,200 円+税)
A5判/184ページ
刊行日:2016年11月25日
ISBN:978-4-254-33009-0 C3047
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内容紹介
看護師を目指して学ぶ人のために,苦手とされやすい解剖生理,生化学を基本に身体のしくみとその変化について,わかりやすく解説。各テーマは,二色刷りのイラストとともに見開き2ページでまとめて理解しやすい構成とした。電子版あり。
編集部から
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2019年12月31日
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◎本書について
苦手とされやすい解剖生理、生化学を基本として、病気の領域も含めて身体のしくみとその変化について解説した書籍です。
国家試験のための仕上げのステップとして役立つよう配慮した構成と内容です。
イラストを最大限に活用して複雑な身体のしくみと変化を理解できるように工夫されています。
◎本書の書評が掲載されました
*『看護研究』2017年 50巻2号掲載
「学生の学び直しとして大いに優れた参考書」
小池 妙子(弘前医療福祉大学 保健学部長)
著者は看護師の資格を有しているが,保健学博士として当時では異色の「生化学」の授業を看護基礎教育(大学,専門学校)で長年,教授して来られた。その経験と学生に対する熱い思いが結実し看護学生のための学習書として本書が出版された。著者とは看護教員時代から30年来の交誼をいただいているが,学問に対して探求心が強く何事にも真摯に向き合う姿勢に学ぶところが多く尊敬している。
今回,本書に目を通して素晴らしいと感じたのは1項目ずつ,すべて見開きになっていて,左ページに解説文,右ページに解説に合わせたイラストがカラーで描かれているところである。専門書としては今まで目に触れたことのない新鮮な構成である。複雑な内容を学生の目線に立ち理解が深まるように平易な文体で簡潔に,しかも,重要項目をゴシック体や赤字で表示している。
解説文のみでも理解はできるものの,イメージした内容を確認するためにイラストを眺めると「あぁ~そういうことなのか」「自分の身体内部の状態を確認できる!」と学生でなくともわくわくする。
本書は三部構成で,第一部は基礎編「生きているしくみ」,第二部は実践編「病気によるしくみの変化」,第三部は付録編「苦手な生化学」である。
内容を紹介しよう。「基礎編」では呼吸,心臓,消化・吸収など人が生きるためのしくみを機能的にまとめている。「実践編」では自覚症状や検査でわかる変化などをバイタルサインのみでなく動脈硬化や高血圧,心臓病,糖尿病,肝臓病がなぜ起きるのか,体内でどのような変化が起きているのかを著者の博識と豊かな経験を感じさせる筆力で具体的に説明している。
付録編を読むと生化学を好きになること間違いなしである。冒頭に「石油や石炭などの燃料を使用すると二酸化炭素が発生する。同様に人間の体のしくみ,つまり,糖質,脂質,たんぱく質は炭素と水素を多く含み,酸素(吸気)と結合するとエネルギー(ATP)を生じる」と例示している。そして,この代謝経路を看護に必要な人間の生活機能の視点(食事・排泄・呼吸・活動)に絞り説明しているのである。
また,看護に必要なアセスメントで「血液の成分が体内でどのような働きをして役に立つか」の説明では「血液の構成物質はもとより,吸収,排泄,代謝によって生じた物質,病気によって増減している物質が同時に血液に含まれる。これらの物質が生化学検査によって数値が表示される」と記し,「大事なことは検査値の変化がなぜ起こっているか病理学の知識と重ねて身体の状態を把握することは身体内部の変化を反映する重要な手掛かりである」と述べている。
本書は看護学生が臨地実習で知識を再確認し,国家試験のための学び直しとして大いに参考になるはずで自信をもって推奨する。さらに,「からだのしくみ」を復習・理解する機会として看護師,教育者,一般の方々にも是非,読んでいただきたい書籍である。
目次
○基礎編 生きているしくみ
1章 生命維持:生命を支えるしくみ
a. 呼吸と循環—酸素と栄養の運搬
a.1 呼吸によって出入りする物質
a.2 心臓と肺の連携プレイ
a.3 心臓と血管
b. 血液ならびに血圧—液体としての性質—
b.1 血液の組成とはたらき
b.2 血液型と輸血
b.3 血圧の調節
2章 食物と身体の関わり:元気に生きるしくみ
a. 食物摂取—生命の必要条件—
a.1 食物に含まれる栄養素
a.2 消化吸収
a.3 消化器をささえる周辺臓器
b. 身体と食物の利用(1)—エネルギーと生命活動
b.1 グルコースの代謝
b.2 エネルギー物質の相互変化
b.3 ATPと生命活動
c. 身体と食物の利用(2)—身体内の化学変化
c.1 アミノ酸と身体
c.2 脂質と身体
c.3 無機質およびビタミンと身体
d. 尿と便—体内物質の分解と排泄
d.1 尿に含まれる物質
d.2 胆汁の成分と排泄
d.3 便通とその変化
3章 身体の制御:身体を調節するしくみ
a. 円滑な機能の維持—微量物質の関与
a.1 ホルモン
a.2 自律神経
a.3 情報伝達物質
b. 遺伝—身体形成過程の指令
b.1 遺伝情報の化学
b.2 遺伝子とタンパク質合成
b.3 遺伝子と病気に関するキーワード
c. 成長—守られて育つしくみ
c.1 妊娠から授乳期までのホルモン作用
c.2 胎児胎盤循環
c.3 満1歳までの経過
c.4 順調な発育・発達
4章 ヒトと生活:活動を支えるしくみ
a. 身体と運動機能—自由自在な動き
a.1 動きを支えるしくみ
a.2 動作の構成
a.3 動きと安定性
b. 日常生活と大脳—人間らしさの背景
b.1 感覚器による情報収集
b.2 言語とコミュニケーション
b.3 大脳の不思議
c. 休息—心身活動のリセット
c.1 生活リズム
c.2 睡眠と疲労回復
c.3 ストレスの蓄積と解消
基礎編の用語解説
○実践編 病気によるしくみの変化
5章 自覚症状:自分で気づく変化
a. 痛み―異常を知らせる変化
a.1 痛みを感じるしくみ
a.2 痛みを看る視点
a.3 痛みに潜む危険性
b. 下痢・腹痛—おなかの調子
b.1 消化器の異常
b.2 主要な消化器系疾患
b.3 食事療法の概要
c. 咳・発熱—風邪に伴う変化
c.1 発熱に要注意
c.2 “風邪は万病のもと”
c.3 身近な手当“安静保温”
d. かゆみ・発疹—刺激に対する反応
d.1 かゆみと皮膚の反応
d.2 病気に伴う皮膚の変化
d.3 皮膚の保護と手入れ
6章 健康診断:検査でわかる変化
a. 血液の検査(1)—臓器・代謝に関する変化
a.1 代謝異常を調べる検査
a.2 浸透圧に関する成分
a.3 血清酵素
b. 血液の検査(2)—血液の機能に関する変化
b.1 造血機能と貧血
b.2 白血球の種類と身体防衛
b.3 血液凝固のしくみ
c. 尿の検査—排泄される成分の変化
c.1 尿をつくるしくみ
c.2 糖尿・血尿・タンパク尿
c.3 病気による尿の変化
d. 各種検査—多角的に調べる身体内部の変化
d.1 さまざまな精密検査
d.2 バイタルサインの重要性
d.3 ガンの検査
7章 老化:気づかぬうちに進みやすい変化
a. 肥満・動脈硬化—成人期にはじまる危険性
a.1 メタボリックシンドローム
a.2 動脈硬化に関係する変化
a.3 年齢による健康状態の変化
b. 循環機能の障害—代表的な成人・老年期の病気
b.1 高血圧
b.2 脳血管疾患
b.3 心臓病
8章 老いと病:進行をおさえたい変化
a.代謝異常—特殊な成分の増加
a.1 糖尿病
a.2 肝臓病
a.3 腎臓病
b. 高齢者の危険性—老化は足腰のみならず
b.1 骨折・運動機能障害
b.2 肺炎予防と口腔ケア
b.3 生活と大脳機能の変化
c. 全身症状—慎重な経過観察が重要
c.1 大量出血
c.2 炎症
c.3 浮腫・脱水
c.4 アシドーシスとアルカローシス
実践編の用語解説
付録 苦手な生化学
付録1 看護に活かそう“生化学”:代謝の概要
付録2 アセスメントに活かそう!:生化学検査の視点
付録3 接点を知ろう:看護に役立つ生化学
参考文献・おすすめ書籍