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内容紹介
様々な「越境」という現象を通して,現代の生活と民俗の世界を照射する。〔内容〕越境する民俗の現代的意味/越境都市―下関/都会の葬儀・古座の葬儀/遠洋漁業/山あてとGPS/山に生きる女性たち/もう一つの農の風景―市民農園/他
編集部から
目次
総論 越境する民俗の現代的意味
海域の越境
第一章 境界都市の民俗学
―下関の朝鮮半島系住民たち
一 集住地域の暮らし
二 ポッタリチャンサの世界
国家の越境
第二章 越境する葬儀
―日本におけるエンバーミング
一 アメリカにおけるエンバーミング
二 日本におけるエンバーミングの導入
三 エンバーミングの目的
四 エンバーミングをおこなう葬祭業者の事例
五 葬儀におけるエンバーミング
六 エンバーミングの行方
領城の越境
第三章 遠洋漁業と越境の論理
―近代における底はえ縄漁師の漁場認識の事例から
一 底はえ縄漁による戦前の遠洋漁業
二 底はえ縄漁師にとっての漁場拡大の論理
伝統の越境
第四章 現代を炭焼きとして生きぬく
一 紀州備長炭
二 南部川村と炭焼き
三 炭焼きの経営形態―「賃焼き」、「什込み」、「自営」
四 梅栽培との兼業
五 炭を焼く人
六 炭焼きを「選んだ」人たち―四〇代以下の若い世代
七 炭焼きを「選ばざるをえなかった」人たち―五、六〇代以上の世代
八 炭焼きの個人史(一)炭焼き専業から梅栽培との兼業へ
九 炭焼きの個人史(二)炭焼きをきわめる
十 炭焼きの個人史(三)もっとも先鋭的な炭焼き
十一 貸焼きの「焼き子」から自常の「経営者」 へ
十二 炭焼きのおもしろさ
規範の越境
第五章 闘いをうみだす技法
―北部九州A市の闘鶏
一 トリの飼育
二 トリの挙動の弁別
三 大 会
四 議 論
性の越境
第六章 山に生きる女たち
一 これまでの研究
二 山仕事をしている人たち
三 山仕事をはじめたきっかけ
四 自分のペースで仕事ができる
五 自分の意見をだせる
六 いっしょに仕事をしているなかまと話す
七 女たちへの負担
八 妻としての役目のなかでの山仕事
技術の越境
第七章 越境する「安全」の技術
―その言説化と身体化をめぐって
一 高度経済成長とその裏面
二 「安全」 の導入と「安全」言説の形成
三 創られる労災イメージと「安全」教育の励行
技術の越境
第八章 ヤマアテとGPS
―技術を越境する漁師たち
一 移り変わる漁撈技術
二 琵琶湖沖島でのゴリ底曳網漁
三 ゴリ底曳網漁の操業活動と漁場利用
四 共振する新・旧の漁撈技術
五 技術の発展が意味するもの
生業の越境
第九章 個人のこころみがささえる生業変容
―沖縄県久高島における生業活動の変遷の過程から
一 陸にあがった漁師
二 出稼ぎの島久高
三 「漁業」の誕生と技術革新
四 若者のUターンと創意工夫
五 分析と考察
生業の越境
第十章 もうひとつの農の風景
―市民農園に集う人びと
一 市民農園とはなにか
二 市民農園における農
三 市民農園の志向するもの
索 引