日本地方地質誌 2 東北地方

日本地質学会(編)

日本地質学会(編)

定価 29,700 円(本体 27,000 円+税)

B5判/712ページ
刊行日:2017年10月10日
ISBN:978-4-254-16782-5 C3344

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内容紹介

東北地方の地質を東日本大震災の分析を踏まえ体系的に記載。総説・基本構造/構造発達史/中・古生界/白亜系-古第三系/白亜紀-古第三紀火成岩類/新第三系-第四系/変動地形/火山/海洋地質/2011年東北地方太平洋沖地震/地質災害他

編集部から

目次

1. 総 説
 1.1 はじめに
  1.1.1 東北地方の地質構造発達史概要
  1.1.2 東北日本弧
 1.2 東北地方の先新第三系の地体構造区分
  1.2.1 概 説
  1.2.2 西南日本地質区
  1.2.3 東北日本地質区
 1.3 東北地方の新第三系~第四系

2.東北地方の基本構造
 2.1 地 形
  2.1.1 地形概要
  2.1.2 北上・阿武隈山地前面に広がる海域
   a. 東北地方太平洋沖
   b. 日本海溝
   c. 大陸斜面と海底谷
   d. 大陸棚
  2.1.3 北上・阿武隈山地
  2.1.4 北上低地帯~阿武隈低地帯
  2.1.5 奥羽脊梁山脈
  2.1.6 山間内陸盆地
  2.1.7 出羽丘陵~飯豊山地
  2.1.8 日本海沿岸部
  2.1.9 日本海域
   a. 日本海東縁部
   b. 東西日本弧境界部としての富山トラフ
   c. 背弧海盆
  2.1.10 地形と重力構造
  2.1.11 活断層の分布
 2.2 地形と火山
  2.2.1 火山の分布
  2.2.2 4つの火山列
  2.2.3 火山分布とマントル内S波低速度異常域との対応
  2.2.4 奥羽脊梁山脈の急激な隆起と成層火山の発達
  2.2.5 棚倉構造線に規制された火山分布
  2.2.6 火山クラスターとホットフィンガー
 2.3 東北日本弧の基本構造
  2.3.1 東北日本弧のプレート配置
  2.3.2 沈み込み帯のタイプ
  2.3.3 東北日本弧の形成
  2.3.4 地質構造の概要
  2.3.5 太平洋プレートの沈み込みに伴う構造の発達
  2.3.6 斜め沈み込みに伴う応力分配と水平圧縮応力軸の回転
 2.4 沈み込み帯での断層運動と地震活動
  2.4.1 沈み込むプレート境界近傍での地震活動
   a. プレート境界地震
   b. スラブ内地震と二重深発地震面
   c. 通常の地震と津波地震
  2.4.2 沈み込むプレート境界で繰り返し発生する大地震
  2.4.3 プレート境界断層の固着とすべり欠損
  2.4.4 沈み込むプレート境界での地震発生サイクル
  2.4.5 プレート境界断層の強度とその時空間変化
  2.4.6 地震発生サイクルにおける間隙水圧の変動
  2.4.7 固有地震モデルとアスペリティモデル
  2.4.8 地震性すべりと非地震性すべり
  2.4.9 アスペリティの実測
  2.4.10 アスペリティとバリア
  2.4.11 バリアと巨大地震の周期的な発生
  2.4.12 セグメント境界をなす断層などの地質構造境界の果たす機能
  2.4.13 2列のアスペリティ
  2.4.14 複数のアスペリティの連動と非地震性すべり発生
  2.4.15 バリアの低下による複数セグメントの連動破壊
 2.5 沈み込むプレート境界域の構造と地震活動
  2.5.1 沈み込み浸食作用
   a. 沈み込み帯での沈み込み侵食作用
   b. 沈み込み海洋プレートに発達するホルスト-グラーベン構造
   c. ホルスト-グラーベン構造と沈み込み侵食作用
  2.5.2 沈み込むプレート境界での地震断層の規模
  2.5.3 沈み込み帯の温度構造
  2.5.4 脱水反応の進行とプレート境界での地震分布
   a. 地震活動に及ぼす水の影響
   b. 脱水脆性化
   c. かんらん石の蛇紋岩化と玄武岩質海洋地殻のエクロジャイト化
   d. プレート境界地震の深さの下限
  2.5.5 マントルウェッジの蛇紋岩化
   a. 宮城県沖での地震すべりの抑制
   b. 岩手沖でのプレート境界地震の抑制
   c. 定常すべり域での水の放出と深部低周波微動の欠如
   d. 上盤陸側プレートでの中小微小地震活動の抑制
  2.5.6 沈み込むプレートの熱回復と脱水分解反応の遅れ
  2.5.7 上盤陸側ウェッジの構造とウェッジ尖形角
  2.5.8 上盤陸側ウェッジでの応力変化と地震発生サイクル
  2.5.9 プレート境界断層(デコルマ)と高角分岐断層
   a. プレート境界地震の発生域をコントロールする要因
   b. プレート間固着域での間隙水圧の上昇による地震発生
   c. 低角逆断層をなすプレート境界断層(デコルマ)と間隙水圧の高い流体の間欠的排出
   d. 上盤陸側ウェッジに発達する高角分岐断層群とそれに沿った間隙流体の海底への排出
   e. 高角分岐断層群からの間隙水排水の抑制による巨大地震の発生
 2.6 マントル構造
  2.6.1 マントルウェッジと沈み込みスラブの構造
  2.6.2 沈み込みスラブの脱水作用によるマントルウェッジの加水作用
   a. 沈み込みスラブとその近傍に認められる地震学的構造
   b. 沈み込みスラブ内の上面地震帯
   c. 脱水反応による沈み込む海洋地殻からマントルウェッジへの水の放出
   d. 脱水反応によるスラブマントルからマントルウェッジへの水の放出
  2.6.3 マントルウェッジの蛇紋岩化作用とポアソン比
  2.6.4 マントル深部への水の輸送
  2.6.5 沈み込みスラブの構造と二重深発地震面
   a. 沈み込みスラブ内部の構造
   b. 海洋地殻の脱水によるスラブ最上部での地震波速度増加
   c. 脱水脆性化による二重深発地震の発生
   d. 二重深発地震面の有無
   e. 二重深発地震面の力学的特徴
  2.6.6 マントルウェッジ内における物質移動
  2.6.7 マントルウェッジ中央部のシート状低速度帯
  2.6.8 マントルウェッジ内の不均質性
   a. 多様なマントル起源物質の存在
   b. 島弧に沿った方向でのマントルウェッジの不均質性
   c. 棚倉構造線を境にしたマントルQ値の不均質性
   d. マントル内温度構造の不均質性
   e. 地震波速度異方性の不均質
 2.7 地殻構造
  2.7.1 東北日本弧の基盤岩類
   a. 東北日本弧を構成する基盤岩類とその構造
   b. 基盤花崗岩類
  2.7.2 地殻に関する地震学的観測データ
   a. 地殻構造の概要
   b. 東北日本弧の地殻構造断面
  2.7.3 東北日本弧の地殻構造
   a. 地殻の薄化と厚化
   b. 大和海盆リフト系と北部本州リフト系
   c. 奥羽脊梁山脈域の地殻構造
  2.7.4 現在の島弧と斜交する基盤構造
  2.7.5 地殻を構成する岩石
  2.7.6 地殻の温度構造
  2.7.7 下部地殻~最上部マントルを構成する岩石
  2.7.8 下部地殻を構成する岩石の不均質性
  2.7.9 東北日本弧のレオロジー構造
   a. 東北日本弧の短縮強度プロファイル
   b. 島弧の変形と温度構造
  2.7.10 余効変動と地殻の弾性層厚,粘性率
   a. 余効変動
   b. 粘性緩和余効変動による弾性層厚,粘性率の検討
   c. 東北日本弧における粘性構造と弾性層厚の変動
   d. 地殻の力学的不均質性の理解
 2.8 島弧火山活動と地殻・マントル構造
  2.8.1 第四紀火山活動と地殻・マントル構造
   a. 沈み込み帯でのマグマの発生
   b. 火山活動における沈み込むスラブとマントルウェッジの役割
   c. マントルウェッジにおける低速度~部分溶融域の分布
   d. 沈み込み帯での安山岩質マグマの活動とその成因
   e. 下部地殻でのマグマプロセス
   f. 地殻内に発達するマグマ供給系の構造
  2.8.2 大規模陥没カルデラと珪長質マグマ溜り
   a. 広域隆起と大規模陥没カルデラの形成
   b. カルデラ分布と地殻内の温度構造や地震活動
   c. 前弧域,カルデラ分布域の地殻構造とマグマ供給系
   d. カルデラ火山下の伏在深成岩体とS波反射体の分布
   e. マグマ混合と過剰なマグマ起源揮発性成分の脱ガス作用
  2.8.3 東北日本弧における火山岩組成の広域変化
   a. 火山岩組成の広域変化
   b. 構造的にコントルールされた斑晶組合せの広域変化
   c. マグマ組成の広域変化とその成因
  2.8.4 マグマ起源マントルの不均質性
   a. 東北日本弧下,マグマ起源マントルの構成鉱物について
   b. マグマ起源マントルの同位体組成の不均質性
   c. 東北日本弧下,マグマ起源マントルにおける不均質性の成因について

3. 地質構造発達史
 3.1 先新第三紀の構造発達史
  3.1.1 概 説
  3.1.2 南部北上帯大陸基盤の成立
   a. 南部北上帯西縁部
   b. 南部北上帯東部
   c. 南部北上帯北縁部
   d. 南部北上古陸の形成
   e. 日立古生層と南部北上帯
  3.1.3 南部北上古陸はどこで形成されたか
   a. 南部北上古陸の中期古生代古生物地理
   b. 砕屑性ジルコンの年代から形成場を考える
  3.1.4 南部北上古陸のゴンドワナからの分離
   a. 中部古生界の層序と火山活動
   b. ゴンドワナからの分離
  3.1.5 沈み込み帯から非活動的大陸縁辺へ
   a. 石炭紀-ペルム紀境界の不整合
   b. 変化に富んだペルム系堆積盆
  3.1.6 ペルム紀の南部北上古陸の古地理
   a. 南部北上帯は依然として赤道域にあった
   b. 南部北上帯と北中国・南部プリモーリェ
  3.1.7 南部北上古陸陸棚での中生界の堆積
   a. ペルム紀・三畳紀境界の不整合
   b. 中生界の堆積盆地の変遷
  3.1.8 前期~中期中生代の古地理
   a. 三畳紀の古地理
   b. ジュラ紀~初期白亜紀の古地理
   c. 南中国とともにあった南部北上古陸
  3.1.9 古生代付加体としての根田茂帯
   a. チャートからのデボン紀化石
   b. 砕屑岩からの石炭紀化石の発見
   c. 根田茂帯と南部北上帯の関係
  3.1.10 アジア大陸東縁の中生代沈み込み帯
   a. 御斎所・竹貫変成岩類の形成
   b. 御斎所・竹貫変成岩類の原岩年代と変成年代
   c. 滝根層群
   d. 北部北上帯付加体の形成
  3.1.11 アジア大陸東縁の白亜紀火成活動
   a. 礼文-阿武隈東縁火山帯の形成
   b. 白亜紀深成火成活動
  3.1.12 白亜紀テクトニクスと東北日本の北上
   a. 短縮テクトニクスとスレート劈開の形成
   b. 左横ずれ断層群の活動
  3.1.13 日本海形成前の東北日本
 3.2 後期新生代
  3.2.1 東北日本新第三系生層序と古海洋変動
   a. 新第三紀生層序の背景
   b. 新第三紀~第四紀グローバル気候イベントと東北日本の古環境
   c. 新第三紀/第四紀境界
   d. 大桑・万願寺動物群の層序学的問題
  3.2.2 後期新生代の構造発達史と火山活動史
   a. はじめに
   b. 構造発達史の組み立てにあたっての基本的事項
   c. 陸弧火山活動期
   d. 背弧海盆火山活動期
   e. 島弧火山活動期

4. 中・古生界
 4.1 概 説
   a. 阿武隈帯
   b. 南部北上帯
   c. 根田茂帯
   d. 北部北上帯
   e. 朝日帯
   f. 足尾帯
 4.2 南部北上帯
  4.2.1 概 説
  4.2.2 下部~中部古生界
   a. 概 説
   b. 西縁部(長坂-相馬地域)
   c. 東部(日頃市-世田米地域)
   d. 北縁部(宮守-早池峰山-釜石地域)
  4.2.3 石炭系
   a. 概 説
   b. 研究史
   c. 形成場
   d. 古生物地理
   e. 各地域の石炭系層序
  4.2.4 ペルム系
   a. 概 説
   b. 日頃市地域
   c. 世田米地域
   d. 上有住-大松地域
   e. 釜石地域
   f. 達曽部地域
   g. 大迫地域
   h. 落合地域
   i. 中平-気仙沼地域
   j. 本吉地域
   k. 歌津地域
   l. 雄勝地域
   m. 長坂地域
   n. 大籠地域
   o. 登米地域
   p. 相馬地域
   q. 八茎地域
  4.2.5 三畳系
   a. 概 説
   b. 稲井層群
   c. 皿貝層群
   d. 内の原層
   e. 明神前層
  4.2.6 ジュラ系~下部白亜系
   a. 概 説
   b. 志津川-橋浦亜帯
   c. 唐桑-牡鹿亜帯
   d. 大船渡帯―大船渡層群―
   e. 相馬地域
  4.2.7 南部北上帯砕屑岩の鉱物組成の年代変遷
   a. 概 説
   b. シルル系
   c. デボン系
   d. 石炭系
   e. ペルム系
   f. 三畳系
   g. ジュラ系
   h. 南部北上山地における鉱物組成の変遷
 4.3 根田茂帯
   a. 概 説
   b. 区分の変遷
   c. 分布・構造
   d. 根田茂コンプレックス
   e. テクトニックブロック
   f. 原岩層序
   g. 対 比
   h. テクトニクス
 4.4 北部北上帯
  4.4.1 概 説
  4.4.2 葛巻-釜石亜帯
   a. 概 説
   b. 青森県中西部
   c. 鹿角-森吉山地域
   d. 川井-山田地域
   e. 一戸南方地域
   f. 関-大鳥地域
  4.4.3 安家-田野畑亜帯
   a. 概 説
   b. 関-山根地域
   c. 田野畑地域
   d. 尻屋地域
 4.5 阿武隈帯
  4.5.1 概 説
  4.5.2 阿武隈変成岩類(御斎所・竹貫変成岩類)
   a. 地質区分と岩相
   b. 研究史―始原界説と白亜系説
   c. 変成分帯,藍晶石の発見とその意義
   d. ジュラ紀化石の発見とその後
   e. 構造岩石学的研究
  4.5.3 滝根層群
 4.6 足尾帯
   a. 概 説
   b. 朝日山地
   c. 飯豊山地
   d. 帝釈山脈
   e. 会津盆地周辺地域
   f. 八溝山地
 4.7 朝日帯
   a. 概 説
   b. 竹ノ沢層

5. 白亜系~古第三系
 5.1 概 説
 5.2 下部白亜系宮古層群
 5.3 上部白亜系・古第三系
  5.3.1 久慈地域
   a. 上部白亜系久慈層群
   b. 古第三系野田層群
  5.3.2 岩泉地域
   a. 上部白亜系
   b. 古第三系
  5.3.3 門地域
   a. 上部白亜系
   b. 古第三系小川層群
  5.3.4 双葉地域
   a. 上部白亜系双葉層群
   b. 古第三系白水層群

6. 白亜紀~古第三紀火成岩類
 6.1 概 説
 6.2 北上山地の前期白亜紀火成岩類
  6.2.1 前期白亜紀岩脈類
   a. 高Mg安山岩
   b. 高Sr安山岩
   c. ショショナイト
   d. 高Ti安山岩
  6.2.2 前期白亜紀火山岩類
  6.2.3 前期白亜紀深成岩類
 6.3 阿武隈山地の白亜紀火成岩類
  6.3.1 南部阿武隈山地の花崗岩体
  6.3.2 北部阿武隈山地の深成岩類
 6.4 奥羽山地に散在して露出する深成岩類
  6.4.1 白神山地
  6.4.2 太平山地
  6.4.3 奥羽脊梁山地北部
 6.5 棚倉構造線とその北方延長部の火成岩類
 6.6 後期白亜紀~古第三紀火山岩類
  6.6.1 北上山地の後期白亜紀~古第三紀火山岩類
  6.6.2 朝日山地・日本海沿岸地域
 6.7 前期白亜紀~古第三紀火成岩類の岩石化学的特徴とその成因

7. 新第三系~第四系
 7.1 構造発達史と火成活動の概要
 7.2 津軽~下北地域
  7.2.1 津軽~弘前地域
  7.2.2 夏泊地域
  7.2.3 下北半島地域
 7.3 能代~三戸地域
  7.3.1 能代~大館地域
  7.3.2 田山-荒屋地域
  7.3.3 田子-三戸地域
 7.4 男鹿~一関地域
  7.4.1 男鹿地域
  7.4.2 秋田~本荘地域
  7.4.3 雫石~栗駒地域
  7.4.3 鬼首~一関地域
 7.5 山形・宮城地域
  7.5.1 庄内地域
  7.5.2 新庄~山形~米沢地域
  7.5.3 蔵王~船形地域
  7.5.4 白石~角田地域
  7.5.5 仙台~松島地域
 7.6 福島地域
  7.6.1 会津地域
  7.6.2 福島~白河地域
  7.6.3 棚倉地域
  7.6.4 福島浜通り地域

8. 第四系と変動地形
 8.1 第四系(更新統・完新統)の分布と編年
   a. 第四紀に形成された地層,地形とその年代
   b. 前期・中期更新統(丘陵地および高位段丘群)
   c. 中期更新統~完新統(段丘・扇状地の平坦地)
   c. 海岸平野(低平な沖積平野)
   d. 火山地形
   e. 人為による地形改変
 8.2 第四紀地殻変動
   a. 活断層の分布と活断層運動
   b. 地殻変動による隆起域と沈降域の出現
   c. 火山活動に関連した奥羽脊梁域や前弧域の隆起
 8.3 段丘地形からわかる広域的な隆起・沈降
   a. 海成段丘と河成段丘の形成
   b. 海成段丘の旧汀線高度
   c. 河成段丘を用いた隆起・沈降量とその速度の推定
 8.4 山地と盆地の発達過程
   a. 盆地堆積物の層序・編年研究
   b. 山地の発達過程
   c. 盆地の発達過程
 8.5 地震と地殻変動
   a. 約100年間の地殻変動
   b. GPS(汎地球測位システム)
   c. 東西方向の水平短縮変動
   d. 東北地方の上下変動
   e. 超巨大地震の発生による水平変動と上下変動にみられる不一致の解消
   f. 水平変動分の不一致の解消
   g. 地震後の余効変動による隆起の可能性
   h. 東北地方太平洋沖地震以外の地震の発生による上下変動分の不一致の解消
   i. 高角の逆断層地震の発生による上下変動分の不一致の解消
   j. 東北地方太平洋側での測地学的南北歪みと地震すべり
 8.6 第四紀の気候変化

9. 第四紀の活動的な火山
 9.1 第四紀火山概説
  9.1.1 東北地方における火山の分布
  9.1.2 噴出物の岩石学的特徴とマグマの成因論
 9.2 青麻-恐火山列
  9.2.1 恐 山
  9.2.2 青麻山
 9.3 脊梁火山列
  9.3.1 八甲田山
  9.3.2 十和田
  9.3.3 八幡平
  9.3.4 秋田焼山
  9.3.5 岩手山
  9.3.6 秋田駒ヶ岳
  9.3.7 栗駒山
  9.3.8 鳴 子
  9.3.9 蔵王山
  9.3.10 吾妻山
  9.3.11 安達太良山
  9.3.12 磐梯山
 9.4 森吉火山列
  9.4.1 岩木山
  9.4.2 森吉山
  9.4.3 肘 折
  9.4.4 沼 沢
  9.4.5 燧ケ岳
 9.5 鳥海火山列
  9.5.1 鳥海山
  9.5.3 月 山

10. 海洋地質
 10.1 日本海側
  10.1.1 地質概要
  10.1.2 層序および岩相
   a. 音響基盤
   b. Yt4ユニット(音響基盤上面~13.5Ma)
   c. Yt3ユニット(13.5~3.6Ma)
   d. Yt2ユニット(3.5~1.8Ma)
   e. Yt1ユニット(1.8~0Ma)
  10.1.3 地質構造
   a. 大和海盆-大和海嶺域
   b. 東北日本の日本海東縁部
   c. 東西日本境界部
  10.1.4 日本海拡大のリフトモデル
 10.2 太平洋側
  10.2.1 地質概要
  10.2.2 層序および層相
   a. 基盤岩類(島弧基盤)
   b. Crユニット
   c. P2ユニット
   d. P1ユニット
   e. N6ユニット
   f. N5ユニット
   g. N4ユニット
   h. N3ユニット
   i. N2ユニット
   j. N1ユニット
  10.2.3 地質構造
   a. 日詰-気仙沼断層の海上延長より南側の海域
   b. 日詰-気仙沼断層の海上延長より北側の海域
 10.3 東北日本弧の海洋地質のまとめ
  10.3.1 地質構造
  10.3.2 地質構造発達史
   a. 日本海拡大以前
   b. シンリフト期早期(20~17Ma)
   c. シンリフト期盛期~晩期(17~13.5Ma)
   d. ポストリフト期(13.5Ma~現世)

11. 2011年東北地方太平洋沖地震
 11.1 地震発生場の地質概要
  a. 2011年東北沖地震と東日本大震災
  b. 東北日本弧の地帯構造
  c. 東北日本弧,前弧域の構造発達史
  d. 東北日本弧の発達史と応力場の時代的変遷
  e. 東北日本弧への斜め沈み込み成分の影響
  f. 東北地方太平洋沖の地形
  g. 東北地方太平洋沖の地質構造
  h. 日本海溝での造構性侵食作用
 11.2 東北日本弧,前弧域の構造
  a. 東北日本弧の太平洋側海域での震探層序
  b. 沈み込み帯前弧域の地質構造
  c. 東北日本弧の大規模横ずれ断層
  d. 大規模横ずれ断層で境された東北日本弧
  e. 東北日本弧前弧海域の地質構造
  f. 前弧域における地震学的構造と構成岩石
 11.3 プレート境界地震の発生とアスペリティ
  a. プレート境界での歪みの蓄積と解消
  b. プレート境界地震の規模とアスペリティ
  c. セグメント境界とアスペリティ
  d. プレート境界での深さに依存した破壊特性変化
  e. 速度-状態依存摩擦構成則
  f. 2011年東北沖地震のすべりモデル
  g. 2011年東北沖地震の発生モデル
 11.4 プレート境界断層、高角分岐断層と大規模横ずれ断層
  a. プレート境界断層(メガスラスト)
  b. ホルスト-グラーベン構造と造構性侵食作用
  c. プレート境界断層(メガスラスト)の特徴
  d. 下部海溝斜面下での動的過程
  e. 大規模横ずれ断層と高角の分岐断層
  f. 前弧域における高角断層に沿った流体の排出
 11.5 2011年東北沖地震の前震、本震、余震活動
  a. 2011年東北沖地震の前震活動
  b. 2011年東北沖地震に先行したすべりの加速
  c. 本震と最大前震の震源位置
  d. 前震活動域の移動による本震のトリガー
  e. 強いアスペリティの破壊による本震の発生
  f. 2011年東北沖地震本震の震源モデル
  g. 3段階の断層すべりの進展と2波の津波の発生
  h. 最大地震滑り発生前にM9地震の特徴を示す
  i. 東北日本弧前弧域の高P波速度領域の破壊
  j. 地震後の静的応力変化と余震活動
  k. 本震直後の余震分布の特徴
 11.6 2011年東北沖地震の震源過程
  a. 強震動発生源と大すべり域の分布
  b. 性格の異なる破壊域の分布と構造との対応
  c. スラブ-上部地殻接触域での大すべりの発生
  d. 前弧ウェッジでの有効摩擦係数と間隙水圧比
  e. 中部海溝斜面下での正断層型余震の発生
 11.7 2011年東北沖地震による津波
  a. 東北地方、太平洋岸を過去に襲った津波
  b. 2011年東北沖地震による2波の津波
  c. 2011年東北沖地震による津波の高さ分布
  d. 2011年東北沖地震による津波と貞観津波
 11.8 2011年東北沖地震の誘発地震
  a. 東北日本弧、内陸部での誘発地震の発生
  b. 誘発地震の発生している場所
  c. 上盤側陸域における活発な誘発地震の発生
  d. カルデラ構造と地震活動
  e. カルデラ構造に関係した誘発地震の発生
 11.9 セグメント境界の固着による連動破壊
  a. セグメントとその連動破壊
  b. セグメント境界での固着の進行と地震の規模
  c. 北東-南西系の水平圧縮応力
  d. 東北日本弧前弧スリバー
  e. 北東-南西系の広域応力場への回帰
  f. 大地震のスーパーサイクル

12. 地下資源
 12.1 金属資源
  12.1.1 概 説
  12.1.2 変質帯と鉱床の形成
  12.1.3 熱水変質作用
   a. 東北地方の非マグマ性熱水変質
   b. 東北地方のマグマ性熱水変質
 12.2 東北地方の金属資源
   a. 概 要
   b. 地質構造場と鉱床
   c. 鉱山各論
  【コラム:歴史にみる金属鉱山の役割】
 12.2 石油資源(佐藤時幸)
  12.2.1 秋田-山形地域
   a. 石油地質概要
   b. 秋田-山形の代表的石油鉱床
  12.2.2 東北日本太平洋側地域
   a. 石油地質概要
   b. 石油鉱床
 付表 鉱山リスト

13. 地盤災害,地質災害,地質汚染
 13.1 地盤災害
  13.1.1 山地の災害
   a. 地すべり災害
   b. 崩壊災害
  13.1.2 平地の災害
   a. 地盤沈下
   ● 追補:2011年東北太平洋沖地震後の地盤沈下
 13.2 東北地方,地圏環境リスクマップ
  13.2.1 地圏環境インフォマティクス
  13.2.2 宮城県土壌の自然由来重金属バックグランドマップ
  13.2.3 仙台平野竜の口層の擬3次元分布とヒ素のリスクマップ
 13.3 河川の水質汚濁
  13.3.1 概 要
  13.3.2 河川汚濁の現況の解析
  13.3.3 解析手法と具体的事例
   a. 重金属変動曲線
   b. マスバランス計算
   c. 寄与率判定図
   d. 許容負荷量図
  13.3.4 リスク評価基本図
  13.3.5 リスク評価の手法

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索 引

執筆者紹介

「東北地方」編集委員会

編集委員長
吉田武義(東北大学名誉教授)

副編集委員長
永広昌之(東北大学名誉教授)
伴 雅雄(山形大学)

編集委員
佐藤時幸(秋田大学)
柴 正敏(弘前大学)
土谷信高(岩手大学)
水田敏夫(秋田大学)
山野井徹(山形大学名誉教授)

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