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シリーズ〈栄養と疾病の科学〉 3 糖尿病と食
植木 浩二郎(編)
内容紹介
豊富なエビデンスから両者の関係を解説。〔内容〕腸管,肝臓,骨格筋,脂肪細胞,および脳での栄養素の代謝・蓄積/標準的食事時,絶食・カロリー制限時,および糖質制限時の全身の代謝/糖尿病における代謝の変化/最適な食事を考える
編集部から
目次
第1章 腸管で栄養素はどのように吸収され,どこへ向かうのか[山崎裕自・矢部大介]
1.1 栄養吸収におけるトランスセルラー経路とパラセルラー経路
1.2 腸管における糖吸収の分子メカニズム
1.3 腸管におけるアミノ酸吸収の分子メカニズム
1.4 腸管における脂質吸収の分子メカニズム
1.5 糖とペプチド吸収の相互作用
1.6 腸ホルモンによる栄養素吸収のシグナル制御
1.7 遊離脂肪酸による栄養素吸収のシグナル制御
1.8 腸管で吸収された栄養素はどこへ向かうのか
1.9 まとめ
第2章 肝臓での栄養素の代謝・蓄積 [建石良介]
2.1 糖質の代謝・蓄積
2.2 脂質の代謝・蓄積
2.3 蛋白質・アミノ酸の代謝・蓄積
第3章 骨格筋での栄養素の代謝・貯蔵 [江川達郎・林 達也]
3.1 栄養素の代謝・貯蔵における骨格筋の役割
3.2 糖質の代謝・貯蔵
3.3 脂質の代謝・貯蔵
3.4 蛋白質の代謝・貯蔵
第4章 脂肪細胞での栄養素の代謝・貯蔵 [酒井寿郎・松村欣宏]
4.1 脂肪細胞
4.2 脂質代謝
4.3 脂肪貯蔵
4.4 炭水化物からのトリグリセリドの合成と脂肪組織への貯蔵
4.5 蛋白質からのトリグリセリドの合成
4.6 トリグリセリドのエネルギー利用:アデノシン三リン酸の産生
4.7 トリグリセリドからのエネルギー放出の調節
4.8 摂食の調節,肥満と飢餓
4.9 熱産生とエネルギー消費に働く脂肪細胞
第5章 脳での栄養素の代謝・貯蔵 [鈴木 亮]
5.1 脳におけるグルコースの選択的取り込み
5.2 グルコース-乳酸-グリコーゲン代謝の細胞種による差異
5.3 アストロサイト-ニューロン乳酸シャトルとグリコーゲンシャント
5.4 糖尿病による脳でのグルコースおよびグリコーゲン代謝の変化
5.5 低血糖の影響
5.6 発達・加齢と脳における糖・脂質代謝
第6章 標準的な食事を摂取したときの全身での代謝 [加賀英義・綿田裕孝]
6.1 三大栄養素の代謝
6.2 インスリン分泌,インスリン作用の調節
6.3 腸管より分泌されるホルモンの調節
6.4 エネルギー消費の調節
6.5 胃内容排泄速度の調節
6.6 second meal phenomenon
6.7 腸内細菌叢とエネルギー代謝
6.8 まとめ
第7章 絶食・カロリー制限時の全身の代謝 [稲垣 毅]
7.1 貯蔵エネルギー
7.2 絶食時のエネルギー供給
7.3 長期絶食時のエネルギー源としてのケトン体
7.4 ケトン体産生の制御
7.5 PPARαとFGF21による絶食時の代謝制御
7.6 絶食時のエピゲノム記憶
7.7 インスリンやグルカゴンによる絶食時の代謝制御
7.8 カロリー制限と寿命延長
7.9 まとめ
第8章 糖質制限食を摂取時の全身の代謝 [山田 悟]
8.1 緩やかな糖質制限食実施時の全身の代謝
8.2 ケトン産生食実施時の全身の代謝
8.3 糖質制限食に付随して生じる状況による代謝への影響
8.4 各種疾病等への効果
8.5 糖質制限食に関する残された議論や課題
8.6 まとめ
第9章 糖尿病における肝臓での代謝の変化 [松本道宏]
9.1 肝臓における膵ホルモンを介した栄養素の貯蔵・動員の制御
9.2 肝細胞におけるインスリンシグナル伝達機構と代謝調節
9.3 糖尿病における肝糖産生の変化
9.4 糖尿病における肝臓での脂質代謝の変化
9.5 まとめ
第10章 糖尿病における骨格筋での代謝の変化 [笹子敬洋・植木浩二郎]
10.1 骨格筋におけるインスリンシグナル
10.2 肥満・糖尿病におけるインスリン抵抗性
10.3 肥満・糖尿病の骨格筋におけるインスリンシグナル障害
10.4 骨格筋における異所性脂肪
10.5 骨格筋におけるインスリン抵抗性が全身に及ぼす影響
10.6 肥満・糖尿病における筋量と機能の低下
10.7 まとめ
第11章 糖尿病における脂肪細胞での代謝の変化 [田守義和・小川 渉]
11.1 脂肪細胞における摂食時・絶食時の生理的な糖・脂質代謝
11.2 脂肪組織の炎症と糖尿病
11.3 脂肪細胞におけるインスリン作用の低下と糖代謝
11.4 脂肪細胞におけるインスリン作用の低下と脂質代謝
11.5 糖尿病における褐色脂肪細胞のエネルギー代謝
11.6 まとめ
第12章 糖尿病における脳の代謝変化 [箕越靖彦]
12.1 脳のインスリンとインスリン受容体
12.2 インスリンシグナルと脳機能
12.3 脳インスリンシグナルと摂食・代謝調節
12.4 脳高次機能に及ぼすインスリンの作用
12.5 肥満・糖尿病における脳のインスリン抵抗性
12.6 アルツハイマー病と脳インスリンシグナル
12.7 脳インスリン抵抗性改善薬としてのインスリンと2型糖尿病治療薬
12.8 まとめ
第13章 最適な食事療法を考える [窪田直人]
13.1 食物エネルギーの利用
13.2 三大栄養素-炭水化物・蛋白質・脂質
13.3 呼 吸 商
13.4 ヒトのエネルギー必要量
13.5 摂食と絶食への適応
13.6 日本人の食事摂取基準
13.7 日常生活におけるエネルギー必要量の推定
13.8 ニュートリゲノミクス
13.9 まとめ
索 引
執筆者紹介
編集者
植木浩二郎(国立高度専門医療研究センター医療研究連携推進本部長/国立国際医療研究センター研究所糖尿病研究センター長)
執筆者(執筆順)
矢部大介(岐阜大学大学院医学系研究科糖尿病・内分泌代謝内科学/膠原病・免疫内科学 教授/東海国立大学機構医学健康データ統合研究教育拠点 副拠点長・教授)
山崎裕自(関西電力病院糖尿病・内分泌・代謝センター)
建石良介(東京大学医学部附属病院消化器内科・講師)
林 達也(京都大学大学院人間・環境学研究科認知・行動科学講座 教授)
江川達郎(京都大学大学院人間・環境学研究科認知・行動科学講座 助教)
酒井寿郎(東北大学大学院医学系研究科分子代謝生理学分野 教授/東京大学先端科学技術研究センター代謝医学分野 教授)
松村欣宏(東京大学先端科学技術研究センター代謝医学分野 准教授)
鈴木 亮(東京医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科学分野 主任教授)
加賀英義(順天堂大学大学院医学研究科代謝内分泌内科学 助教)
綿田裕孝(順天堂大学大学院医学研究科代謝内分泌内科学 教授)
稲垣 毅(群馬大学生体調節研究所代謝エピジェネティクス分野 教授)
山田 悟(北里大学北里研究所病院・副院長/糖尿病センター長)
松本道宏(国立国際医療研究センター研究所糖尿病研究センター分子代謝制御研究部 部長)
笹子敬洋(東京大学医学部附属病院糖尿病・代謝内科 助教)
植木浩二郎(国立高度専門医療研究センター医療研究連携推進本部長/国立国際医療研究センター研究所糖尿病研究センター長)
小川 渉(神戸大学大学院医学研究科糖尿病・内分泌・総合内科学分野 教授)
田守義和(神戸大学大学院医学研究科健康創造推進学分野 特命教授)
箕越靖彦(生理学研究所生殖・内分泌系発達機構研究部門 教授)
窪田直人(東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科/病態栄養治療部 准教授)