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シリーズ〈水産の科学〉 1 ブリ類の科学
虫明 敬一(編著)
内容紹介
縁起の良い出世魚の代表として日本で古くから食されてきたブリについて,文化史や生態,養殖技術などさまざまな側面から解説。〔内容〕日本人の食文化/ブリ漁の歴史/生態/天然種苗と人工種苗/栄養/加工と利用/流通・価格/他
編集部から
縁起の良い出世魚の代表として日本で古くから食されてきたブリについて,文化史や生態,養殖技術などさまざまな側面から解説。
◆本書「ブリ類の科学」の編者・虫明敬一 先生が、
NHKの人気番組「日本人のおなまえっ!」 に出演予定(インタビュー)です。
(2月20日放送予定)
この回は「名前がややこしい食べ物」が特集されます。
その中でも出世魚の代表格・ブリが取り上げられる予定です。
目次
1.ブリ類概論 〔虫明敬一〕
2.ブリと日本人の食文化 〔虫明敬一〕
2.1 日本の和食文化
2.1.1 和食文化
2.1.2 和食の中の魚介類
2.1.3 寿司文化の広まり
2.1.4 地方の寿司文化
2.2 ブリと日本人
2.2.1 ブリの名前の由来
2.2.2 出世魚の呼び名の変化
2.2.3 東のサケ,西のブリ
2.2.4 ぶり街道はノーベル街道
2.2.5 ぶり起こし
2.2.6 海外も注目する「魂を揺さぶる食材」
3.天然資源の生態と動向
3.1 ブリ漁業の歴史 〔亘 真吾〕
3.1.1 江戸時代以前のブリ漁業
3.1.2 江戸時代のブリ漁業
3.1.3 明治時代から戦前のブリ漁業
3.1.4 戦後のブリ漁業
3.2 ブリの資源変動と資源評価 〔亘 真吾〕
3.2.1 ブリの資源評価
3.2.2 ブリの資源変動
3.2.3 カンパチ類の漁獲量の推移
3.3 分布・回遊 〔久保田 洋〕
3.3.1 ブリの分布域
3.3.2 ブリの回遊
3.4 年齢と成長 〔久保田 洋〕
3.4.1 ブリ類の大きさ
3.4.2 成長
3.5 産卵生態 〔久保田 洋〕
3.5.1 ブリの繁殖特性
3.5.2 ブリの産卵期・産卵場の推定
3.5.3 ヒラマサおよびカンパチ
4.飼育(養殖)
4.1 ブリ養殖の歴史 〔虫明敬一〕
4.1.1 魚類養殖施設
4.1.2 ブリの養殖小史
4.2 天然種苗と人工種苗 〔宍道弘敏・阪倉良孝・塩澤 聡〕
4.2.1 天然種苗
4.2.2 人工種苗
4.3 飼餌料 〔益本俊郎〕
4.3.1 飼料形態と給餌
4.3.2 ブリの消化生理
4.3.3 栄養要求
コラム:フルーツフィッシュ 〔益本俊郎〕
4.4 環境管理 〔原 隆〕
4.4.1 ブリの生物学的特性と環境基準
4.4.2 養殖環境保全に向けた環境改善の取り組み
4.4.3 養殖漁場での環境管理
4.4.4 国際的な養殖認証における環境基準
4.5 親魚養成 〔中田 久・虫明敬一〕
4.5.1 親魚養成とは
4.5.2 親魚を育てる
4.5.3 親魚の成長を促進させる
4.5.4 親魚から卵を得る
4.5.5 ふ化までの卵管理
4.5.6 ふ化仔魚の良否の判定
4.6 種苗生産 〔塩澤 聡・橋本 博〕
4.6.1 飼育方法
4.6.2 飼育管理技術の高度化
4.6.3 今後に向けて
4.7 疾病と対策 〔福田 穣〕
4.7.1 ウイルス病
4.7.2 細菌病
4.7.3 寄生虫病
4.8 育種 〔森島 輝〕
4.8.1 育種とは
4.8.2 遺伝特性:質的遺伝形質と量的遺伝形質
4.8.3 親子の相関関係を利用した選抜効果の予測
4.8.4 育種素材
4.8.5 遺伝的管理
4.8.6 ブリにおける悪性遺伝子ホモ化の実例
4.8.7 育種の戦略
4.8.8 選抜手法
4.8.9 育種プログラムの進捗評価
4.8.10 育種に求められる周辺技術
5.食品
5.1 栄養 〔山下倫明〕
5.1.1 タンパク質
5.1.2 脂質
5.1.3 ビタミン
5.1.4 ミネラル類
5.1.5 魚食の生活習慣病予防効果
5.1.6 機能性食品
5.2 加工と利用 〔木村郁夫〕
5.2.1 鮮度変化と鮮度指標
5.2.2 冷蔵・冷凍に関する技術小史
5.2.3 冷蔵流通
5.2.4 冷凍流通
5.2.5 養殖ブリ水揚げ・加工法の実用化技術開発
5.2.6 ブリの焼き物調理
6.流通・経済
6.1 流通・価格 〔重野 優〕
6.1.1 国内の消費傾向
6.1.2 ブリ類の流通
6.1.3 ブランド化されたブリ
6.1.4 カンパチ
6.1.5 ヒラマサ
コラム:嫁御ブリ 〔重野 優〕
6.2 輸出促進 〔山瀬茂継〕
6.2.1 ブリ養殖と輸出の現状
6.2.2 ブリの輸出促進
6.2.3 今後の輸出促進への展望
執筆者紹介
本巻編集
虫明敬一
水産研究・教育機構 増養殖研究所育種研究センター研究員
シリーズ総編集
良永知義(よしなが・ともよし)
1958年生。中央水産研究所などを経て,現在東京大学農学部・魚病学研究室教授。
魚病を中心に水産物の生態全般を専門とする。
著書に『食卓からマグロが消える日』(飛鳥新社,2009).