シリーズ〈ことばの認知科学〉 2 ことばと心身

辻 幸夫菅井 三実佐治 伸郎(編)

辻 幸夫菅井 三実佐治 伸郎(編)

定価 3,520 円(本体 3,200 円+税)

A5判/184ページ
刊行日:2024年10月01日
ISBN:978-4-254-51702-6 C3380

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内容紹介

認知科学における言語研究の基礎と流れを概観し,理論的・実証的研究の展開を解説。言語研究に考えを巡らせられる「ことばの認知科学」への誘い。〔内容〕ことばと主観性/ことばとマルチモーダリティ/ことばと思考/ことばと感性/ことばと脳/ことばと知覚・情動/ことばと記憶/ことばと運動

編集部から

目次

第1章 ことばとマルチモダリティ[谷口忠大]
 第1部 現在までの流れ
  第1節 ことばの学習とマルチモーダルな経験
  第2節 単語の発見
  第3節 概念形成とマルチモーダル情報統合
  第4節 交差状況学習と見出される意味
  第5節 大規模言語モデルとマルチモーダル情報による意味の創発
 第2部 今後の展望
  第6節 まとめと展望
第2章 ことばと主観性[本多 啓]
  第1節 「捉え方の意味論」としての認知意味論と主体性
  第2節 認知文法と主体性
  第3節 認知文法と一人称代名詞:他者にとっての他者としての自己
  第4節 共同注意としての言語コミュニケーション
  第5節 「捉え方の意味論」から「見せ方の意味論」へ
  第6節 認知文法における「主体化」
  第7節 結 語
第3章 ことばと感性[篠原和子・宇野良子]
 第1部 現在までの流れ
  第1節 感性とは何だろう
  第2節 感性にまつわる研究,特に言語学との関連
  第3節 音象徴とオノマトペ研究の流れ:20 世紀以降を中心に
 第2部 今後の展望
  第4節 言語学と隣接分野の協力
  第5節 感性研究と言語
コラム オノマトペに見る体験と想像のずれ
コラム ことばの「素材」を味わう
第4章 ことばと知覚・情動[渡邊淳司]
 第1部 現在までの流れ
  第1節 感覚や情動のカテゴリとことば
  第2節 形容詞による触覚のカテゴリ化
  第3節 オノマトペによる触覚のことばの分布図
  第4節 触覚のことばによる素材の配置
コラム 触相図を作成するワークショップ
 第2部 今後の展望
  第5節 ことばと情動
  第6節 ことばと体験評価
  第7節 ことばとウェルビーイング
第5章 ことばと脳[大槻美佳]
 第1部 現在までの流れ
  第1節 脳機能から見たことばの特性
  第2節 脳 の 特 性
  第3節 認知機能と脳の関係:神経心理学の誕生と基本原理
  第4節 言語と脳の関係
 第2部 今後の展望
  第5節 未解決の問題と今後の展望
第6章 ことばと記憶[上野泰治]
 第1部 現在までの流れ
  第1節 言語と記憶の関係:多重貯蔵モデル
  第2節 複数成分作動記憶モデル
  第3節 言語獲得と作動記憶:言語獲得装置としての音韻ループ
  第4節 言語獲得装置としての音韻ループ理論への反例
  第5節 読み能力と作動記憶
  第6節 発話と作動記憶
  第7節 文法(統語規則)学習と作動記憶の制約
 第2部 今後の展望
  第8節 計算機モデル:領域普遍的メカニズムか領域特異的メカニズムか
  第9節 現存する言葉の構造と記憶システムからの制約
第7章 ことばと思考[楠見 孝・平 知宏]
 第1部 現在までの流れ
  第1節 思考を支える心的表象
  第2節 言語が支える推論
  第3節 思考と言語理解を支える概念
  第4節 概念の比喩的拡張
  第5節 批判的思考
 第2部 今後の展望
  第6節 思考と言語の研究の今後
第8章 ことばと運動[望月正哉]
 第1部 現在までの流れ
  第1節 ことばと運動の関わり
  第2節 ことばの記憶における運動の役割
  第3節 ことばの理解が運動に与える影響
  第4節 運動がことばの理解に与える影響
コラム 行為─文適合性効果の再現性
 第2部 今後の展望
  第5節 運動によってことばの理解を促進する
  第6節 ことばの理解における運動の役割:理解とは何なのか
索 引

執筆者紹介

谷口忠大 京都大学大学院情報学研究科
本多 啓 神戸市外国語大学英米学科
篠原和子 東京農工大学名誉教授
宇野良子 東京農工大学大学院工学研究院
渡邊淳司 NTTコミュニケーション科学基礎研究所
大槻美佳 北海道大学大学院保健科学研究院
上野泰治 東京女子大学現代教養学部
楠見 孝 京都大学大学院教育学研究科
平 知宏 大阪公立大学国際基幹教育機構
望月正哉 日本大学文理学部
(執筆順)

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