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シリーズ〈ことばの認知科学〉 4 ことばと学び
内容紹介
認知科学における言語研究の基礎と流れを概観し,21世紀に入ってからの著しい理論的・実証的研究の展開を第一線で活躍する専門家がわかりやすく解説。学部初学生,他分野の専門家から言語と認知について関心を抱く一般読者まで,広い観点から興味の対象となる言語研究に考えを巡らせられる「ことばの認知科学」への誘いを目指す。
編集部から
目次
第1章 教育とことば[菅井三実]
第1部 現在までの流れ
第1節 思考言語の獲得と支援
第2節 学習言語の習得と運用
第3節 学校教育における学習思考言語
第2部 今後の展望
第4節 母語教育環境における今後の展望
コラム 国語教育の目標
コラム 思考言語としてのテンプレート
第2章 ことばと読み書き[甲田直美]
第1部 現在までの流れ
第1節 読み書きと認知
第2節 文脈の理解
第3節 物語テクストの理解
第4節 書く行為
第2部 今後の展望
第5節 ライフステージと読み書き
第3章 バイリンガルと多文化共生[中石ゆうこ]
第1部 現在までの流れ
第1節 バイリンガリズムをめぐるこれまでの議論
第2節 これまで明らかになっていること
第3節 日本の現状
第2部 今後の展望
第4節 現在の問題
第5節 これから何が問題になるのか
第4章 第一言語習得(母語習得)[佐治伸郎]
第1部 現在までの流れ
第1節 これまで何が問題とされてきたか
第2節 経験論と生得論
第3節 行動学習理論
第4節 生成文法理論
第5節 制約理論
第6節 文化学習としての言語習得
第7節 これまでの研究から何が分かったのか?
第2部 今後の展望
第8節 今何が問題とされているのか?
第9節 統計学習
第10節 社会的認知
第11節 言語の身体性
第12節 これから何が問題になるのか
第5章 第二言語習得[白井恭弘]
第1部 現在までの流れ
第1節 SLA研究の歴史
第2節 SLA研究における重要な発見
第3節 SLAにおけるソーシャルターン
第2部 今後の展望
第4節 多様性と認知科学
第5節 今後の課題
第6節 WEIRDMからの脱却
第6章 特別支援教育とことば[高野美由紀・有働眞理子]
第1部 現在までの流れ
第1節 特別支援教育とことばについての概観
第2節 知的障害特別支援学校におけることばの指導,支援
第2部 今後の展望
第3節 特別支援教育におけるこれからの言語研究
第4節 特別支援教育でのことば・コミュニケーションの学習の充実に向けて
コラム 特別支援学校教員の発話に見るオノマトペ
コラム STなど専門家とのコラボによる教育
第7章 ことばのリハビリテーション[石坂郁代]
第1部 現在までの流れ
第1節 失語症
第2節 失語症の言語障害への介入
第3節 言語学と失語症学
第4節 現在の研究の広がり(1):成人の大脳の機能障害と言語
第5節 現在の研究の広がり(2):小児の大脳の機能障害と言語
第6節 現在の研究の広がり(3):欧米における言語治療のトレンド
第2部 今後の展望
第7節 未来を見通すために
コラム 日本語話者の英語の読みの苦手さをスクリーニングする検査の開発
第8章 手話の認知科学[高嶋由布子]
第1部 現在までの流れ
第1節 「手話も言語である」という発見
第2節 手話を話す「ろう者」の割合
第3節 手話の「起源」の誤解と「発見」
第4節 単位時間当たりの情報量
第5節 手話の写像性と言語接触
第6節 手話が生まれる
第7節 手話の認知神経科学
第2部 今後の展望
第8節 手話の習得開始年齢
第9節 手話と音声言語間の翻訳研究と語用論
第10節 機械翻訳より人手の翻訳
索引
執筆者紹介
菅井三実 兵庫教育大学大学院学校教育研究科
甲田直美 東北大学大学院文学研究科
中石ゆうこ 県立広島大学大学教育実践センター
佐治伸郎 早稲田大学人間科学部
白井恭弘 ケースウエスタンリザーブ大学認知科学科
高野美由紀 兵庫教育大学大学院学校教育研究科
有働眞理子 兵庫教育大学名誉教授
石坂郁代 北里大学医療衛生学部
高嶋由布子 国立障害者リハビリテーションセンター研究所
(執筆順)