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内容紹介
目に見える遺物から,目に見えない移動・交流を復元する試み。とくに交流のメカニズムや,社会の発展プロセスといった理論の領域にまで踏み込んだ。〔内容〕交流とスタイル伝播/貝交易システムと情報の選択/共生関係の視角/他
編集部から
目次
1. 総論 交流考古学の可能性―考古学の表象責任をめぐって―
1.1 はじめに
1.2 「交流」の考古学とグローバリゼーション
1.3 「交流」の考古学と本質主義
1.4 「交流」の考古学と「カラハリ論争」
1.5 「交流」の考古学と政治的ジレンマ
1.6 おわりに
1.7 本書論文の解説
2. 考古学資料における交流の読み方―民族学からのメッセージ―
2.1 交流について
2.2 極北地帯チューレ文化における交流の検証
2.3 考 察
2.4 結 言
3. オセアニアの島嶼間交流
3.1 はじめに
3.2 メラネシアの「交流」
3.3 ミクロネシアの交流:珊瑚島と火山島
3.4 結 語
4. 続縄文から擦文文化成立期にかけての北海道・本州間の交流
―その交易システムの展開―
4.1 はじめに
4.2 交易の諸相
4.3 続縄文時代の交易
4.4 擦文文化成立期の交易
4.5 おわりに
5. フィリピンにおける交易時代研究の展開―長距離交易と複合社会の発展―
5.1 はじめに
5.2 ハッテラーの調査と研究
5.3 西村の研究と調査
5.4 ユンカーの調査と研究
5.5 おわりに
6. カリンガ土器の変化過程
6.1 はじめに
6.2 分析資料
6.3 ギリ文様
6.4 オカズ用土鍋の形
6.5 水甕の赤彩文様と形
6.6 土器の移動からみた2村の土器生産の変化
6.7 考 察
7. 縄文時代の交換組織
7.1 はじめに
7.2 縄文時代の交換組織―これまでの研究―
7.3 縄文中期における石皿の交換組織
7.4 チャート・黒曜石交換圏との比較
7.5 縄文時代の交換組織
7.6 結 論
8. 「交流」の復元レシピ“欧米風”―欧米考古学における「交流」復元の方法論的
比較,及び植物考古学(archaeobotany)による交換/交易復元の可能性―
8.1 はじめに
8.2 欧米考古学における「交流」(物質の流通)復元法
8.3 交換・交易の対象としての植物―植物考古学から考える「交流」―
8.4 結語―日本考古学と欧米考古理論の「交流」について―
9. ヤコウガイ交易の考古学―奈良~平安時代並行期の奄美諸島,沖縄諸島における
島嶼社会―
9.1 はじめに
9.2 ヤコウガイ抄録
9.3 ヤコウガイ大量出土遺跡
9.4 浮かび上がる古代交易
9.5 遠隔地交易をめぐる議論
8.6 考古学モデルの構築
9.7 結語―奄美諸島における歴史の回復―
10. 狩猟採集社会と農耕社会の交流:相互関係の視角
10.1 はじめに
10.2 東南アジア先史時代における考古学的コンテクストとはどのようなものなのか
10.3 同時存在のモデルはどのように推移してきたか
10.4 結論:同時存在の考古学が提示する可能性とはどのようなものなのか
11. 用語解説
12. 索 引
執筆者紹介
【編集者】小川英文
【執筆者】小川英文,スチュアートヘンリ,松本 拓,印東道子,山浦 清,田中和彦,小林正史,古城 泰,細谷 葵,高梨 修