グローバル変動生物学 ―急速に変化する地球環境と生命―

エリカB. ローゼンブラム(著)/宮下 直(監訳)/深野 祐也安田 仁奈鈴木 牧(訳)

エリカB. ローゼンブラム(著)/宮下 直(監訳)/深野 祐也安田 仁奈鈴木 牧(訳)

定価 13,200 円(本体 12,000 円+税)

B5判/344ページ
発売予定日:2024年10月04日
ISBN:978-4-254-18064-0 C3045

    近日発売予定です

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内容紹介

地球規模での環境変動が生物に対して与えている影響をテーマに、生物多様性や環境保全における課題を提示し、その解決法までを豊富な図とともに丁寧に解説する。生態学や環境保全を学びたい学生はもちろん、環境保全に取り組む行政・企業・団体等の実務者にも必須の1冊。オールカラー。訳者による日本語版オリジナルのコラム付き。

編集部から

"Global Change Biology: The Study of Life on a Rapidly Changing Planet" by Erica Bree Rosenblum (Oxford University Press, 2021)の翻訳。

目次

第1章 グローバル変動生物学への招待
 はじめに
 研究の発展
  初期の歴史/現代のストレス要因/知るための方法/多様性の尊重による新たな地平
 研究デザイン
  統合的なアプローチ/研究デザインの重要な要素/個人と社会の関連性
 研究アプローチ
  観察/実験/モデリング/データ統合/参加型/まとめ
 研究ツール
  環境のモニタリング/生物のモニタリング/分子解析/計算機/まとめ
 結論
 基本知識:データの表現法
 データで見る:自然の経済価値
 発展:生物多様性の価値
 第1章のまとめ

第2章 生命の歴史
 はじめに
 地球上の生命の出現
  宇宙の起源/地球の誕生/地殻と水圏の形成/前生物化学(プレバイオティック化学)/遺伝の起源
 生物の進化と多様化の歴史
  細菌と古細菌の進化/真核生物の進化/多細胞性の進化
 生物多様性の進化の仕組み
  自然選択/遺伝的浮動/種分化/絶滅
 種分化と絶滅
  進化的放散/大量絶滅
 結論
 基本知識:系統樹とは?
 データで見る:生命の環
 発展:生物的な階層
 第2章のまとめ

第3章 人類の誕生
 はじめに
 初期ヒト科の進化
  大型類人猿との共通祖先からの分岐/初期人類の系統の重複/ホモ属の進化
 現生人類の出現と拡散
 初期文明による環境への影響
  狩猟とメガファウナの絶滅/農業と作物の栽培化/家畜化/都市化と人口増加
 結論
 基本知識:種名とは何か?
 データで見る:氷河期の遺伝学
 発展:人類の進化的成功
 第3章のまとめ

第4章 人新世
 はじめに
 人新世とは?
 現代の人口増加パターン
 現代文明による環境への影響
  土地利用の変化/汚染/グローバル化/その他のストレス要因
 人為的なストレス要因の複合的効果
 環境変動に対する脆弱性
  曝露/感受性/応答能力
 結論
 基本知識:気候の測定
 データで見る:送粉者と農薬
 発展:過去と現在の気候変動
 第4章のまとめ

第5章 主要な応答:移動
 はじめに
 生物の移動
 地理的範囲とは?
 地理的範囲を決める要因
  進化の歴史/種の特性/生態学的要件/まとめ
 人為によらない地理的範囲の変化
 人為による地理的範囲の変化
  分布縮小/分布拡大/分布移動/まとめ
 生息範囲の変化の予測
 結論
 基本知識:ニッチとは何か?
 データで見る:ヨセミテの100 年の変化
 発展:グローバル化と外来種を考える
 第5章のまとめ

第6章 主要な応答:調節
 はじめに
 表現型可塑性とは?
 表現型可塑性による調節能力
 地球変動ストレスと表現型可塑性
  発育の変化/生理的な変化/行動の変化/形態の変化/まとめ
 表現型可塑性のメカニズム
  瞬間的な応答/遺伝子制御による応答/エピジェネティックな応答/誘導と可逆性
 表現型可塑性の評価と予測
  実験的アプローチ/分子的アプローチ
 表現型可塑性と長期的な存続可能性
 結論
 基本知識:遺伝のメカニズムとは?
 データで見る:フェノロジーと地球温暖化
 発展:都市化
 第6章のまとめ

第7章 主要な応答:適応
 はじめに
 適応に必要な条件
  遺伝/変異/生存や繁殖における差
 自然選択による進化
 地球環境変動に対する適応
  環境汚染物質への適応/外来種への適応/気候変動への適応/まとめ
 適応の検出と予測
  野外研究/室内実験/分子的アプローチ/まとめ
 適応による絶滅の回避
 結論
 基本知識:遺伝的変異の由来
 データで見る:ミジンコのタイムマシーン
 発展:サンゴ礁
 第7章のまとめ

第8章 主要な応答:死滅
 はじめに
 個体,個体群,種の存続の関連性
  個体の死/個体群の絶滅/種の消失
 地球変動ストレスによる絶滅
  ピンタゾウガメ/リョコウバト/ポリネシアの樹上カタツムリ/キキョウ科の樹木/ヨウスコウカワイルカ/天然痘ウイルス/まとめ
 絶滅リスクの推定
  種分布モデル/個体群存続可能性分析/まとめ
 絶滅リスクの世界的なパターン
  生物多様性データベース/メタ解析/まとめ
 第6の大量絶滅
 結論
 基本知識:絶滅の負債とは?
 データで見る:第6の大量絶滅
 発展:両生類の減少
 第8章のまとめ

第9章 群集レベルの反応
 はじめに
 生物間相互作用
  任意的な相互作用と絶対的な相互作用/多様な生物間相互作用/直接的な相互作用と間接的な相互作用/まとめ
 地球変動が生物間相互作用に及ぼす影響
  種の消失/種数の増加/種の変化/まとめ
 絶滅が群集に及ぼす影響
  相利共生種の共絶滅/寄生者の共絶滅/植食者や捕食者の絶滅/まとめ
 カスケード効果とは?
 結論
 基本知識:地上食物網と地下食物網
 データで見る:相利共生の崩壊
 発展:ケルプの森と栄養カスケード
 第9章のまとめ

第10章 生態系レベルの反応
 はじめに
 生物地球化学的循環とは?
  水循環/炭素循環/窒素循環/まとめ
 地球変動が生態系に及ぼす影響
  生態系の構造/生態系機能/生態系サービス/異なる生態系特性の結びつき
 地球変動が地球システムに及ぼす影響
  陸域システム/大気システム/水圏システム/雪氷圏システム/まとめ
 フィードバックとは?
 生態系の崩壊
 生態系の回復力
 結論
 基本知識:生物多様性ホットスポット
 データで見る:土壌の温室効果ガス
 発展:地球変動への応答に影響を与える要因
 第10章のまとめ

第11章 地球変動時代の環境保全
 はじめに
 保全の優先順位
 保全活動の対象レベル
 生物集団の保全戦略
  乱獲の抑制/飼育下での繁殖/人為移住
 生息域の保全戦略
  保護区の設置/生物のコリドー(通り道)の復元/自然撹乱の復活/高度に改変された環境下での生息地の改善/まとめ
 順応的管理とは?
 結論
 基本知識:気候変動緩和策
 データで見る:進化的多様性を最大化する
 発展:新技術と保全倫理
 第11章のまとめ

第12章 生物多様性と人間社会の利益を一致させるために
 はじめに
 人間-自然連関システムとは?
 生物多様性保全を支援するための社会的手段
 個人による生物多様性保全への支援
  消費者として/出資者として/実務家や活動家として/まとめ
 団体による生物多様性保全への支援
  エコツーリズム/持続可能な食料生産/「ゆりかごからゆりかごまで」の工業生産/まとめ
 政治行動による生物多様性保全への支援
  漁業管理/絶滅危惧種をめぐる法制/国際気候変動条約/国際自然保護債務スワップ/まとめ
 予想される未来
 結論
 基本知識:I=PAT 式とは?
 データで見る:動的な保全のための報奨金制度
 発展:環境についての世界観
 第12章のまとめ
 用語集
 索引

コラム
 市民参加で生態系の健康診断─モニタリングサイト1000 [宮下 直]
 気候変動による沿岸生態系の変化―造礁サンゴの北上― [安田仁奈]
 都市における生物の進化 [深野祐也] 157
 外来種が複数種いる場合の生態系管理―何を守りたいか? [宮下 直]
 日本の海洋保護区 [安田仁奈]
 環境保全型の農業 [深野祐也]
 絶滅危惧種保護の法制度 [鈴木 牧]

執筆者紹介

【著者】
Erica Bree Rosenblum(エリカ・ブリー・ローゼンブラム)著
カリフォルニア大学バークレー校教授.専門はグローバル変動生物学,進化生態学,保全遺伝学.

【監訳者】
宮下 直(東京大学・教授)

【訳者】
深野祐也(千葉大学・准教授)
安田仁奈(東京大学・教授)
鈴木 牧(東京大学・准教授)

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