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内容紹介
全体の見通しを重視しつつ表現論的な保型形式論の基礎を論ずる本分野の礎となる書〔内容〕ゼータ函数/Hecke環/楕円函数とモジュラー形式/アデール/p進群の表現論/GL(n)上の保型形式/L群と函手性/モジュラー形式とコホモロジー群/他
編集部から
著者が長年京都大学で教鞭をとった整数論の講義を下敷きに,表現論的な保型形式論を講じる.正確な記述や証明の付与はもちろんのこと,全体の見通し(パースペクティブ)を与える視座を重視して行われた講義の雰囲気を書籍中に再現することを目指す.リーマンのゼータ函数より出発し,Hecke環の一般論,Hecke作用素とL函数に関する古典的理論へと進む.大域体のアデール環とイデール群の導入による岩澤-Tate理論の解説,代数群の基本,保型形式・保型表現の一般的定義を経て,後半の発展的話題へと論を展開する.〔内容〕リーマンのゼータ函数/Hecke環/楕円函数とモジュラー形式/アデール/p進群の表現論の基礎/保型形式と保型表現/GL(n)の表現のWhittakerモデルとその応用/GL(2)上の保型形式/GL(2)の表現の極大コンパクト部分群への制限/L群と函手性/志村-谷山予想の一般化/モジュラー形式とコホモロジー群/付録
目次
第I章 Riemann のゼータ函数
1. Bernoulli 数とEuler-Maclaurin 総和法
2. Riemann の方法
3. Riemann のゼータ函数展望
第II章 Hecke 環
1. 群論的定義
2. 合成積代数による定義
3. 誘導表現との関係
4. 文献
第III章 楕円函数とモジュラー形式
1. 楕円函数
2. 楕円曲線
3. モジュラー形式(レベル1 の場合)
4. モジュラー形式(一般レベルの場合)
5. Hecke 作用素とEuler 積
6. モジュラー形式のL 函数
7. Petersson 内積
8. 代数多様体のゼータ函数と志村-谷山予想
第IV章 アデール
1. 大域体のアデール環とイデール群
2. 大域体のHecke 指標とそのL 函数
3. Hecke 指標のL 函数の函数等式
4. 類体論の骨子と若干の応用
5. 代数群
6. 代数群のアデール化
7. GL(2;QA) 上の保型形式
第V章 p 進群の表現論の基礎
1. 許容表現
2. 超函数と指標
3. 誘導表現とJacquet 函手
4. 正規化された誘導表現とユニタリー性
5. 不分岐主系列表現
6. 球函数とHecke 環の構造
7. Tempered 表現
第VI章 保型形式と保型表現
1. 表現のテンソル積分解
2. 実reductive Lie 群のHecke 代数
3. アデール群のHecke 代数
4. 保型形式と保型表現
5. L2 理論との関係
第VII章 GL(n) の表現のWhittaker モデルとその応用
1. 局所理論―超函数についての準備
2. 局所理論―Whittaker モデル
3. Whittaker 函数による保型形式の展開
4. 文献
第VIII章 GL(2) 上の保型形式
1. Kirillov モデル
2. 主系列表現
3. 局所函数等式
4. GL(2;R) とGL(2;C) の表現論
5. GL(2) 上の保型形式
6. モジュラー形式と表現論
7. 文献など
第IX章 GL(2) の表現の極大コンパクト部分群への制限
1. 基本不等式
2. 局所Atkin-Lehner 定理
3. 基本不等式の応用I
4. 基本不等式の応用II
5. この章の結果について
第X章 L 群と函手性
1. 函手性原理への道
2. Reductive 群
3. Weil 群
4. 進表現とWeil-Deligne 群の表現
5. L 群
6. 函手性原理(局所体の場合)
7. 函手性原理(大域体の場合)
8. 重複度公式
第XI章 志村-谷山予想の一般化
1. Hodge 群
2. モティーフに付随する局所パラメーター
3. ある基本的cohomology 類について
4. 志村-谷山予想の一般化
5. 実例
6. モティーフ
第XII章 モジュラー形式とcohomology 群
1. 群の生成元と基本関係
2. 群のcohomology 論
3. 一変数の場合
4. Hilbert モジュラー形式
5. Hilbert モジュラー形式とcohomology 群
6. Parabolic 条件と特殊値の計算法
7. 計算例
8. この章の結果について
付録単因子論とGL(n) の共役類
文献
索引